第9章 (※)依存
そう言われれば流石に止まらざるを得ない。
杏寿郎は少し固まった後、眉尻を垂らして手を引いた。
杏「…………すまない。…俺が嫌になったか……?」
先程とは打って変わってしおらしい態度に、つむぎは思わず心の中で溜息をついた。
(元の杏寿郎くんに戻ったのかな…。本当たちが悪い…。)
「嫌いになんてなってない。だからその顔やめて。私は私の意見をムシして欲しくなかっただけ。」
杏「……そうか。」
杏寿郎はそう言うとつむぎをきつくきつく抱き締めた。
(……痛い…………。)
つむぎは痛みに顔を顰め、その重い愛情に少しだけ怯みそうになったのだった。