第4章 告げる
「一週間くらい前、かな。助けた後に『一目惚れした』って告白されて…、まだ付き合ってはないけど、その後一回お昼間に会ったの。リボンはその時に…。」
杏「ろくに知らないじゃないか。君はその男が好きなのか。」
「それは……、分からないけど、」
杏「なら思わせぶりな事はするな。」
そう言いながら改めてつむぎを見つめてみる。
すると、骨格は華奢なのに胸が膨らみ、いつの間にか大人の女性になりつつある事が分かった。
それと同時に酷い焦燥感に襲われる。
杏(十七までは待とうと決めたのは間違いだったな。)
そんな考えに気が付かないつむぎは、杏寿郎の言葉に少し眉を寄せた。
「でも…、私の事、とっても好きって言ってくれたんだよ。私あんなに好きって言われたの初めてで…、だから、そんなに好きなら世界一幸せにしてくれるんじゃないかなって思ったの。」
つむぎはあろう事か、誰よりも自身を大事にしてくれている杏寿郎の前でそんな事を言ってしまった。