第4章 告げる
「その…助けた人に…頂いて……。」
一生懸命男を払ってきた杏寿郎の額に青筋が浮かぶ。
杏「あれ程気を付けろと言ったろう。贈り物を身に付けていれば満更でもないと思われるぞ。」
そう言いながら再びつむぎを向かい合わせにすると、つむぎの頬は赤く染まっていた。
「だって…満更でもないもの。」
つむぎがそう言ってはにかむと、初めてそのような笑顔を見た杏寿郎は眉を顰めた。
杏「満更でもないだと?何故気を許した。」
「え…、だからリボンをくれたのは助けた人だってば。隊士の人とは距離を」
杏「いつ出会った。恋仲なのか。」
そう問われるとつむぎは両手の指を絡ませてもじもじとする。