第4章 告げる
杏「そうか?少し伸びたように思えるぞ。」
「ほんと!?」
つむぎがパッと輝く顔を上げた瞬間、つむぎの頭後ろで何かが揺れた。
杏「……………………………。」
杏寿郎は表情を消すとつむぎの肩を掴んで後ろを向かせた。
「杏寿郎くん…?」
視線の先ではつむぎの髪を結う若草色のリボンが揺れていた。
つむぎは隊士からの女扱いを嫌っている。
任務中に装飾品を身に付けるなど不自然だ。
杏寿郎は嫌な予感に眉を寄せた。
杏「つむぎ、これはどうした。」
「え、」
杏「君らしくない。自分で買ったのか。」
厳しい声色につむぎは少し動揺した。