第3章 守る決意
杏「うむ。君はくれぐれも男に」
「分かってるってば!」
つむぎがそうむくれると、杏寿郎は笑みを消して心配そうに眉尻を下げてしまった。
杏「いや、君は分かっていない。何度も言うが鬼殺隊は男所帯だ。それなりに飢えている男がいる。そして君は…、」
そこまで言って固まった。
つむぎがその先を望まないからだ。
杏(それでも……、彼女の為を思うのなら。)
杏「……つむぎ。君は、女性だろう。」
低く真剣に言われると、つむぎは眉を顰めながらもその場に留まった。
「確かに…生物学的には女だけど、どんな男の人よりも強くなるつもりだよ。」
杏「それに関しては俺も応援している。前も言ったが、戦っている間の君についてはあまり心配していない。問題はその他の時間だ。」
杏寿郎はつむぎに半歩近付くと両肩をしっかりと掴んだ。
杏「良いか。どんなに褒められようと素直に喜ぶな。男は狼なんだ。任務が終われば走って帰れ。全速力で、だぞ。」
「そんな…。それはやり過ぎなんじゃないかな…。仲間が一人も出来ないじゃない…。」
その返しに杏寿郎は眉を寄せて肩を掴み直した。