第3章 守る決意
か(…だが俺はつむぎの親だ。つむぎの意見を尊重したい。)
か「杏寿郎くん。…改めて、つむぎをここまで送ってくれて本当にありがとう。」
かざみがそう再び礼を言うと、察しが良い杏寿郎はパッと頭を下げてからにこりと微笑んだ。
杏「はい!お茶をご馳走様でした!!俺はそろそろ失礼します!!」
「もう帰っちゃうの?」
つむぎはそう問うと少し寂しそうな顔で杏寿郎を見つめた。
それもその筈、二人は二週間ただ一緒にいた訳ではない。
命をかけるような戦いも共に経験してきた大切な仲間なのだ。
それでも杏寿郎は太陽のような笑みを崩さなかった。
杏「俺には俺の家があるからな!!」
その言葉につむぎは俯いた。
「………そうだね。」
———
「じゃあ、また任務が一緒になったらよろしくね。」
かざみと都代子が気を利かせて屋敷内に入った後、二週間という短い期間で絆を深めた二人は門の前で別れの挨拶をしていた。