第3章 守る決意
杏「異性からの愛情表現を好ましく思ったのか。それはどうかと思うぞ。……まだ、」
そう言いながら杏寿郎は胸に生まれたもやもやとした感情に気付いた。
杏「…まだ、俺達は互いによく知らないだろう。」
つむぎは眉を寄せると顔を赤らめながら筆を動かす。
『一目惚れしてくれたのかなって思ったの。』
それを読んだ杏寿郎は口を薄く開いて固まった後、妙にスッキリとした顔になった。
「うぅ…言わせないでよー…。大体、」
杏「なるほどな!!」
つむぎは大きな声にビクッと体を震わせた。
杏寿郎はそんなつむぎを見ながらにこにことしている。
「な、なに」
杏「話を戻そう!誰であれ、真剣なら受け入れるのか!」
その問いにつむぎはぶんぶんと首を振った。
杏寿郎はその様子に満足そうな笑みを浮かべる。
杏「そうか!それは良かった!!」
その笑顔につむぎは困惑した。