第3章 守る決意
———
それからも相模は積極的に技を放ったが、鬼の首を斬るどころか体に傷を付けることすら出来なかった。
それを見ていたつむぎは喉をこくりと鳴らし、柄に手を遣った。
どう見ても二人が "のろかった" からだ。
(私の速度なら…。鬼の動きを乱して隙を作ればきっと相模さんが仕留めてくれる…!)
そう思うと柄をぎゅっと力強く握り、勢い良く駆け出した。
柱とも良い勝負が出来てしまいそうなその速さに反応できるはずもなく、
(風車の呼吸、肆ノ型——桜花風乱!!)
爪鬼「は……?」
相「な、」
つむぎは呆気なく爪の鬼の足を切断し、見事バランスを崩すことに成功した。
「先輩!!足が再生する前に!!」
相「あ、ああ!!」
つむぎの呼び掛けで我に返った相模は、足を失くして尻もちをついた鬼の首に刃を振るった。
相「雷の呼吸、伍ノ型——熱界雷!!」
下から上へ振り上げた刀によって、爪の鬼の首は空高く飛んだ。
「や、やった…、」
相「五十嵐!大活躍だったなあ!!今夜は奢りだ!たくさん食えよー!!」
相模が刀を鞘に納めながらそう言うと、つむぎはパッと明るい笑顔を向けた。
「わあ!ありがとうございます!!」