第3章 守る決意
二人の前に出てきた鬼は綺麗な女の姿をしていた。
その手の爪は異様に長い。
「で、でもやっぱり私も、」
爪鬼「あなた達が来てから一週間。」
綺麗な声につむぎは肩を跳ねさせる。
隣からは相模が唾を飲み込む音が聞こえた。
爪の鬼はそんな二人を一瞥すると自身の爪に視線を落とし、それを撫で始めた。
爪鬼「一週間も食事を絶った事がある?私は二人と奪い合っていた時にもなかったわ。」
「二人……?」
相「鬼の言葉に耳を傾けるな!五十嵐はとにかく下がってろ!」
そう言うと相模は爪の鬼に向かって駆けて行った。
「相模さん!!」
相「雷の呼吸、弐ノ型——稲魂ッ!!」
その声と共に五つの雷鳴のような音が鳴る。
(五連撃…!)
しかし、鬼は片手でいとも容易く捌いてしまった。
相「くそ!!」
「…っ」