第3章 守る決意
そんな会話がなされている頃、何も知らぬつむぎは相模に尊敬の念を抱きはじめていた。
「そんな鬼が…それで壬から一気に庚に…!すごい…!!私も頑張ります!!」
相「はは。でも五十嵐は細いからな…きちんと食べてるのか?」
相模がそう言いながらつむぎの頭をぽんぽんと叩く。
すると、優しい一番上の兄を思い出したつむぎは、相模に好ましい印象を抱いてしまった。
「た、食べてますよ。確かに筋肉は付きにくいですが、きちんと常中もできてますし…。」
それを聞いた相模がきょとんとした顔をする。
相「じょうちゅう?それはどういう、」
———ザリ…
質問の途中、砂を踏みしめる音が響いた。
二人は目を見開くと、すぐ柄に手を遣る。
"それ" はゆっくりと月明かりの中に出てきた。
相「……五十嵐、下がってろ。やっぱり癸の手に負える鬼じゃない。」