第3章 守る決意
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八「はあ。」
綾「今日も普通の不気味な森だな。」
八「だなあ。」
更にところ変わって、八重草・綾瀬川組もまた別方向の森に入っていた。
八「ここに来てもう一週間近く経つだろ?その間の被害はゼロ。向こうは俺らに気付いてんだよ。」
綾「気付かれてるんじゃ情報も得られそうにないな。」
八「あ、でも五十嵐と煉󠄁獄が何か見つけるかもしれないぞ。やる気があるし。」
その言葉に綾瀬川が『ふむ。』と言って一度口を噤む。
そして少し面白がるような笑みを浮かべた。
綾「五十嵐と言えばさ、相模さん。あれ、絶対下心ある顔だったよな。」
八「確かに。妙に優しい顔をしてたな。」
綾「やっぱりそうだろ?今頃優しく手解きしてるんだろうな。軽く惚れさせてぺろりといくつもりなんだ。煉󠄁獄は何か感じ取ったようだったけど…、」
綾瀬川が先を言わずに八重草を見る。
すると八重草は同意を示すように頷いた。
八「ああ。五十嵐はかなり鈍そうだったな。大事に育てられたんだろ。」