第3章 守る決意
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「じゃあどんな姿なのかも不明なんですね…。」
つむぎは隊士達から話を聞き終えそう呟いた。
一方、杏寿郎はつむぎの走り書きを見ると腕を組んで『なるほど!』と明るい声を出した。
相「ああ。今夜も散って探る予定だった。今夜はそうだな、」
そう言葉を切ると相模はつむぎの華奢な体をちらりと見た。
相「三組に別れよう。釣り合いを考えて煉󠄁獄は長谷川と、五十嵐は俺とだ。」
「はい!!」
つむぎはそう返事をしながら杏寿郎に組分けを教えた。
しかし——、
杏「五十嵐は俺と行動します!!」
つむぎが書いた文を読んだ筈であったが、杏寿郎はハッキリとした声でそう言い放った。
当然つむぎは慌ててしまった。
相手は先輩で、自分達は超が付くほどの新米だからだ。
「…ま、待って、これ読んでってば!」
つむぎは慌てて懐紙を杏寿郎の目の前に突きつけたが、杏寿郎はつむぎの腕を掴んで下ろさせた。
その表情は険しい。