第3章 守る決意
———
杏「では行って来る!!」
「行ってきます!」
日暮れより二時間程前、杏寿郎とつむぎは門の前で千寿郎に笑みを向けた。
二人を見た千寿郎もなんとか笑みを返す。
千「お帰りをお待ちしています。」
杏「うむ!行こう、つむぎ!!」
「うん!」
つむぎは杏寿郎の声がけに頷くと後に続いて走り出した。
———
杏「今度の任務地は近くて良かった!」
「そうだね。」
桜が導いた街に着くと、二人はスピードを緩めて辺りを見渡した。
杏「隊士を探しがてら少し歩こう!」
「あ、待って。あそこ。」
何かを見付けたつむぎは杏寿郎の腕を引いて左を指差す。
杏「つむぎ?」
杏寿郎が首を傾げながら示された方を見ると、丁度店から出てきた鬼殺隊士が鴉を呼んでいた。
杏「仲間か!でかした!」
「早く行こう!」
初めて生きた仲間を見た二人は、にこりと微笑み合ってから駆け出した。