第3章 守る決意
(……でも、思ったより怒られなかった。怪我した杏寿郎くんを放っておけとは言えないからかな。)
つむぎは杏寿郎が煉󠄁獄家の息子であった事に初めて感謝した。
杏「親御さんからの手紙か。」
杏寿郎はつむぎの表情を見ながらそう問うた。
「あ、うん。」
杏「初任務から帰らず、更にいつ帰るか分からないとなれば心配するだろう。大丈夫なのか。」
「うん。」
つむぎは頷きながら『こまめに連絡を取ってたから平気だよ。』と書いた紙を見せた。
杏「それは良かった!では要が言った事を教えてくれるか!」
「あ、そうだった、ごめんね。」
つむぎはまた謝りながら要が言った事を伝えた。
杏「そうか!では君の任務は何だ!」
「えっと…、」
つむぎは行儀良く待っていた桜に視線を移す。
すると桜はやっと口を開いた。
桜「西ノ街デ人ガ消エテイル。先ニ到着シテイル隊士ト合流シ、情報ヲ共有セヨ。」
「先に…。」
つむぎはそう呟くと言われた事を紙に書き出していった。
杏「なるほど。手掛かりが得られないので人手が欲しい、といった感じだな!腹拵えをしたら早速向かおう!!」
「う、うん!!」
つむぎは安全そうな任務の内容に少しほっとしながら杏寿郎の後を追った。