• テキストサイズ

炎環に舞う【煉󠄁獄さん/救済】

第2章 煉󠄁獄家



問われたつむぎは机の前に移動すると、そこに腰を下ろして懐紙を取り出した。

そして、『初任務についての報告を省かせちゃってごめんね。気を遣ったんでしょう?』と書いた。


杏寿郎はその文を覗き込むようにしながら隣に腰を下ろす。




杏「そんな事は気にしなくて良い。それより父上は君に何と言ったんだ。」




再びそう問われるとつむぎは堪忍したように息を吐き、鉛筆を握り直した。




『柱だった父についてだよ。』




杏寿郎はその短い文で大体の事を察した。

父親が他の柱についても『くだらない』、『才能が無い』と言っていた事があったからだ。




杏「すまない。」




静かな声色にハッとして視線を上げる。

見ると、杏寿郎の眉尻は下がっていた。




「そんな、煉󠄁獄くんが謝ることじゃないよ。」




つむぎはそう言いながら杏寿郎の両手を握り、首を横に振った。

すると杏寿郎はその手に視線を落とす。



/ 303ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp