第2章 煉󠄁獄家
杏「すまないが紙に書いて貰えるだろうか!」
一方、千寿郎は青ざめながらそんな杏寿郎の耳を見た。
千「五十嵐さん、兄は耳を負傷したのですか…?他にも傷が…?」
つむぎは懐紙を取り出しながら千寿郎に視線を移した。
「あ…はい。自分で鼓膜を破いたと言っていました。一ヶ月もすれば完全に治るだろうから心配はないと思います。だけど私は治りきらない内に任務が来たらどうしようと思って付いてきたんです。」
そう言いながら『耳、聞こえるの?』と書いた紙を杏寿郎に見せる。
千「鼓膜を…、」
杏「少しは聞こえるが会話は出来ない!だが千寿郎の言う事は聞かなくても大体分かる!!」
つむぎがその言葉に納得して一段落がつくと、千寿郎は二人を屋敷に招き入れた。