第1章 始まり
杏「…………………………。」
杏寿郎はそんなつむぎの明るい顔を見ると、少し驚いてから笑みを返した。
杏「君なら知っているだろうが、父上は炎柱として今も鬼殺隊に籍を置いている!だが今は少し元気を失くしていてな!なので抱いている印象とは異なるかもしれない!それは頭の隅に置いておいてくれ!」
「……?…うん。分かったよ。」
つむぎは少し首を傾げながらも頷いた。
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それから二人は食事を挟みながら煉󠄁獄家までの長い道のりを歩いた。
杏「見えた!あちらが俺の家だ!!」
「やっとついたぁ…。私の家の方が遠かったけど…。」
杏「千寿郎を早く安心させなければ!!」
杏寿郎はそう言うとつむぎに太陽のような笑みを向け、見えてきた門へ向かってダッと駆け出した。
そしてつむぎはつられて微笑み、その後を追ったのだった。