第9章 (※)依存
(……いまは異性として意識してると思う。あとは…、)
つむぎはそう思いながら手を杏寿郎の胸、心臓の上に滑らせた。
(あとは…抱いている気持ちの問題。杏寿郎くんへの気持ちは正直、恋というより…仲間や家族への情のようなものに近い…かも、しれないから…。)
杏(………………………………。)
杏寿郎は『今の気持ちとどう違うんだろう。』と首を傾げるつむぎをじっと見つめていた。
杏「つむぎ。また長考しているな。」
「あ、ごめん……なさい。」
つむぎはハッとして視線を上げると、自身が杏寿郎の胸を触っていた事に改めて気が付き赤くなって口を結んだ。
杏(こういう好ましい変化は何度見ても飽きないな。)
杏「気長に待つと言ったろう。そう思い詰める必要は無い。」
考えを見透かされていたつむぎは少し動揺してからこくりと頷いた。
杏寿郎は自身の胸から離れたつむぎの手を握って布団に押し付け、優しく、深く口付け始めた。