第9章 (※)依存
(……杏寿郎くんが……かっこいい……。)
一方、つむぎはつむぎで杏寿郎を上目遣いで見上げながら固まっていた。
(見れば見るほどかっこいい…。いつからこんな大人の男の人になったんだろう……。肩幅、広い…腕も太いし筋肉もすごいし…。あれ…?髪もちがう。もみあげ、昔はこんな風じゃなかった。ふさふさしてて小ライオンが成獣になったみたい…。何で今まで気付かなかったんだろう……。)
そう思うと同時に、その男前の赤い瞳が自身に向いていることに強い恥を覚えた。
つむぎが体を隠すように腕を寄せると胸がむにっと形を変える。
杏「…………………………………………。」
無自覚とはいえつむぎに煽られ、杏寿郎は額に青筋を浮かべながら息を上げた。
見下ろすつむぎは剣など無縁な只の女の子のように見える。