第9章 (※)依存
杏「つむぎ、君を抱いても良いか。」
達する直前で止められたつむぎの体は熱い。
ど直球に問われたつむぎは少し怖気づくように目を泳がせたが、長い間を置いたあとに小さく頷いた。
杏「素直だな。愛いぞ。」
杏寿郎はそう言って褒めるようにつむぎの頭を撫で、浴衣を優しくはだけさせた。
「わ、待って…!」
以前見た時にはそこに他の男が付けた邪魔な赤い噛み跡が散っていた。
だが、今はその代わりに自身が付けた噛み跡が薄っすらと残っていた。
血が出るほど強く噛んだがために傷跡になってしまっていたのだ。
杏寿郎はその跡を見付けると、満足そうに目を細めながら息を洩らした。
「きょ、杏寿郎くん…脱がすなら杏寿郎くんも脱いでよ。一人だとはずかしい…。」
杏「ああ、分かった。」
杏寿郎は素直に前をはだけさせ、袖を抜きながらつむぎの肩を見つめた。