第8章 (※)二人切り—その弐
(少し広い部屋…。)
杏「緊急の用なら人より鴉を向かわせるだろう。とにかく君は出ないでくれ。君は、」
そう言うと杏寿郎はスパンと戸を閉じる。
そしてつむぎの頬を両手で包みながら屈んで燃える瞳を向けた。
杏「君には、俺だけで良い。」
その瞳には危うい光が見え隠れしていた。
(え……なんか、接し方が悪化した気が…、)
「……きょ、杏寿郎くん…、前から思ってたけど…、束縛が強いとおも、う……………ちょっと…。」
そう思い切って言ってみると杏寿郎がゆっくりと少しだけ首を傾けた。
それにつむぎが喉をこくりと鳴らす。