第7章 二人切り
杏「そう赤くなってくれるのは嬉しいが、ここまで心当たりが無いともどかしく感じるな。」
「いいから入ろう。」
つむぎはそう言いながら杏寿郎の背を押して屋敷へ入ろうとした。
杏「教えてくれたら素直に入ると約束する!」
杏寿郎はそう言って背を一生懸命押しているつむぎを見下ろした。
「いい、から…入って!」
そう言いながら杏寿郎を両手でぐーっと押すと、杏寿郎の代わりにつむぎの足がズズッと後ろに滑っていく。
「………なんで踏ん張るの。」
杏「すまない!入ろう!!」
つむぎが眉を寄せると、怒らせたくはなかった杏寿郎はつむぎの手をパシッと握って屋敷へと入って行った。