第7章 二人切り
(ここからなら…十五分くらい、かな…。)
そう思ったが、少し眉を寄せると口をきゅっと結ぶ。
(ううん、十三分!もう少し速度を上げよう!!)
つむぎは速度を少しでも上げようと足にグッと力を込めた。
そしてじりじり、じりじりと上げていく。
(結構きついけど…、このまま…っ!)
向かう道でそんな鍛錬まがいな事をしていれば到着時にどうなるか分かり切っている。
杏「……つむぎ、大丈夫か。」
杏寿郎は汗だくのつむぎを見て心配そうに眉尻を下げた。
「だい、じょぶ…。完治おめでとう…。」
杏「ありがとう!とにかく座ってくれ!!」
つむぎは袖で汗を拭いながらベッドの隣に椅子を置いた。
杏寿郎はそれを確認するとベッドに腰掛けた。