第7章 二人切り
杏「はは、珍しいな。後ろには気を付けなければならないぞ。」
「………………うん。」
か細い声を聞き、杏寿郎はそろそろ限界だろうと判断した。
杏「うむ!思わぬ褒美も貰えた事だし、そろそろ出発するとしよう!!」
そう言うとつむぎの両肩を持ってパッと身を離す。
つむぎはその決断の早さについていけず、寂しそうな表情を晒してしまった。
杏寿郎はそんなつむぎの頭を撫でながら眉尻を下げて笑った。
杏「君はどう転んでも俺を困らせるようだな!!だが、すぐだ!すぐ共に暮らせるようになる!!それまで親孝行をして待っていてくれ!!」
そう明るく言われるとつむぎは肩の力を抜いてからこくりと頷き、ようやく柔らかい笑顔を返したのだった。