第7章 二人切り
杏(だが…、)
杏「君が出迎えに来てから少し時間が経っているな。玄関先でいちゃついたと勘違いされれば共に住む事を許してくれないかも知れないぞ。」
「あ……、う、うん。そうだね…。」
つむぎは今になって共に暮らす事に酷く動揺した。
「そう…、決めたもん、ね。一緒に暮らすって。わたし、自分で楽しみって言ってたよね。」
杏「……ああ。」
杏寿郎は玄関に上がらせてもらいながら再び首を傾げたのだった。
———
か「それで、二人は…、」
柱就任の話が終わると、かざみはそう切り出した。
それに杏寿郎がピッと姿勢を正す。
杏「はい!二年前からお付き合いさせて頂いています!!」
か「二年も…、」
都「杏寿郎さんなら大事にして下さったでしょう。でも二人共鬼殺隊士となればなかなか時間も作れないのではありませんか?」
母親の思わぬナイスアシストにつむぎはハッとして杏寿郎を見た。
杏寿郎はそれに力強く頷く。