• テキストサイズ

炎環に舞う【煉󠄁獄さん/救済】

第7章 二人切り





杏「ありがとう!!」

「でもこのつば、付ける向きまちがえてない…?前からびみょうに気になってたんだけど…。」




確かにつむぎの言う通り、杏寿郎の鍔は普通に構えた際に炎が下向きになってしまう。


すると、杏寿郎はベッド脇に置いてあった刀を手に取り、鞘に収めたまま肩に担いだ。




杏「こうすれば正しい向きになるだろう!」


「……そっか。私の呼吸ではそういう構えしないから考えてなかった。なんかかっこいいな、それ…。」




つむぎはそう言いながら少ない持ち物をポケットに仕舞っていく。

杏寿郎はそれを邪魔したくなってしまった。




杏(…あと少しだ。そうしたら好きなだけ触れ合える。)




そう思うと己を律し、ぐっと拳を握る。

そんな杏寿郎の視線の先でつむぎが支度を終えた。




「じゃあ、わたし行くね。けがが治り次第、杏寿郎くんが来るってことも改めて親に伝えておくから。」


杏「……ああ!頼む!」




つむぎは杏寿郎の笑顔を少し首を傾げて見つめた後、ベッドに歩み寄った。


そして、杏寿郎が何をするのかと見ている目の前で屈み、額に軽く触れるような口付けを落とした。





/ 303ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp