第7章 二人切り
「杏寿郎くん。」
つむぎは病室の戸を開けると、手紙を読んでいる杏寿郎に声を掛けた。
杏「…出るのか。」
「うん。その手紙、千寿郎くん?」
その問いに杏寿郎はにこりと笑う。
杏「ああ!相変わらずよく届く。柱就任の報告を聞けば父上の様子も変わるのではと期待しているようだ。」
「……そう…。」
つむぎは自身のベッドに向かうと、新調した隊服に手を伸ばす。
「着替えるからちょっとあっち向いてて。」
杏「何故だ。」
「怒るよ。」
つむぎの睨みに杏寿郎は『むぅ。』と不服そうな声を出しながら顔を背けた。