第7章 二人切り
———
し「うん。もう大丈夫ですね。」
「よかった…これでやっと復帰できる…。」
つむぎはそう言うと確かめるように足を曲げ伸ばしした。
つむぎの足の怪我が治ったのだ。
し「ご実家に戻られるんですか?」
「はい。…何でですか?」
首を傾げるつむぎにしのぶが僅かに微笑む。
し「つむぎさんといると煉󠄁獄さんの睡眠の質が上がるので少し残念だなと思ったんです。」
「そうなんですか…。」
つむぎはそう言いながら少し首を傾げた。
「でも別に慣れない場所というわけでもないでしょうし、大丈夫ですよ。」
そう微笑むとしのぶは何も言わずににこりと笑みを浮かべた。
し「そういう事にしておきましょう。では診察はこれで最後です。また怪我をしないよう、なるべく気を付けてくださいね。」
「はい!本当にお世話になりました!」
つむぎはそう言うと診察室を出て杏寿郎の居る病室へ向かった。