第7章 二人切り
杏「そう心配するな。俺の隣に居れば何も問題はない。必ず君を守ると約束しよう。君は一番君を愛している男の隣に居るのだろう?俺は誰よりも君を愛している。」
「……うん。」
そう少し甘えたな声で言うと、つむぎはおずおずと杏寿郎の胸に額を寄せる。
杏寿郎は満たされる想いを噛み締めながらつむぎを優しく抱き締め直した。
こうして杏寿郎は定期的につむぎの気持ちを確かめていた。
愛されているという手応えがなかったからだ。
杏(情だけは感じる。『馴染みの同期だし、自身を好いてくれているし』と思っているのかも知れないな。だが、いつかは必ず心から愛し合えるように…、)
そう思うと傷の痛みを忘れてつむぎを抱き締める腕にぎゅっと力を込めたのだった。