第7章 二人切り
その光景を見て杏寿郎がにこっと太陽のような笑みを浮かべる。
杏「これで早く治りそうだ!!」
「……私にそんな力はないよ。」
そうは言いつつ、杏寿郎が近くに居たいと思ってくれた事が嬉しかった。
杏寿郎はベッドに横になって掛け布団を被ると、腕を伸ばしてつむぎの手を優しく握った。
杏「ああ、やはり良いな。」
その幸せそうな笑みにつむぎの頬が染まる。
杏寿郎はその頬を指摘したりなどせず、ただ優しく愛でるように撫でた。
杏「早く一緒に暮らしたい。寝る時はいつも君の手を握りたい。」
「…………うん。」
つむぎが素直に受け入れると、杏寿郎は嬉しそうに微笑んでつむぎを抱き寄せ、額に口付けを落とした。
杏「お休み、つむぎ。」
意地悪ではない杏寿郎に真っ直ぐな愛情を注がれたつむぎは、体の力を抜いて杏寿郎の胸に頬擦りをした。
「うん。おやすみ、杏寿郎くん。」