第7章 二人切り
「………とりあえず、私お風呂はいってくるね。色々びちょびちょだし。十回出されたみたいだし。」
杏「すまない!!」
つむぎは素直な謝罪を恨めしく思いながら戸に近付いた。
するとまだぽたぽたと欲が落ちてくる。
「………………………………。」
杏「本当にすまなかった。」
若干固い声に眉尻を下げて振り返る。
「しのぶさんが掃除する廊下を更に汚すの、気が引けるんだけど……。」
そうは言っても股を押さえながら歩く訳にもいかない。
杏寿郎は困り果てた様子のつむぎに、何かを決意したような顔を向けた。
杏「つむぎ。俺の褌を履くと良い。」
「……………………………………。」
つむぎは反対したくなったが、他に良い方法も思い付かず、結局恥を忍んで借りる事にしたのだった。