第7章 二人切り
「し、しのぶさん…お仕事を増やしてしまってすみません……。」
杏「何から何まですまない。」
しのぶは戸の前に立つと、そうしょんぼりする二人を振り返った。
し「本当はもっと言いたかったのですが、丸く収まったとの事なので今日のところは勘弁してあげます。では今度こそ失礼します。綺麗なベッドに移動したらもう立たないでくださいね。」
杏「分かった!約束する!!それからつむぎも同じ部屋で良いだろうか!」
つむぎは杏寿郎のメンタルの強さに舌を巻いた。
一方、しのぶは廊下へ出ながら再び溜息を吐いた。
し「好きにして下さい。蝶屋敷はこれから忙しい時間帯に入ります。煉󠄁獄さんは今は呼吸で止血出来ていますし、縫い直すのはまた後でにして下さい。」
杏「承知した!!」
「ほ、本当にありがとうございました…。」
つむぎの声にしのぶは困ったように微笑み、静かに戸を閉めたのだった。