第7章 二人切り
杏「してはならない事をしたッ!!嫉妬と独占欲から」
し「先に喋らないで下さい。」
しのぶは微笑みながらぴしゃりと言い、つむぎに視線を移した。
し「量が一回や二回ではありませんでしたよ。無理をさせたのではありませんか。」
「あ、いえ、二回だけです。」
知識が足りていなかったつむぎはそう言った。
その前で杏寿郎が握り拳を作る。
杏「すまない。十回はした。」
「………………え……?」
呟いたつむぎは最初はただ呆けていたが、徐々に眉を寄せていった。
それを見ていたしのぶはにこりと笑んで杏寿郎を見た。
し「つむぎさんを騙していたのですね。煉󠄁獄さんがそんな方だったとは思いませんでした。それも避妊もせず。」
その冷たい声を聞くと、つむぎは怒りを忘れてハッとする。
「あ、あの……でも、朝の人に全部されちゃったと勘違いしてしまってたからだったんです…。元はと言えばわたしの行動が悪かったんです。」
つむぎがそう訴えると、しのぶは貼り付けたような笑みを崩して心配そうな表情を浮かべた。