第6章 ※やり直し
「……ベッド…濡れちゃったし、杏寿郎くんの血も付いてるし、変えてもらわなきゃだね。あと開いた傷口も診てもらわないと…。」
杏「ああ。胡蝶に叱られそうだな。」
それを聞いたつむぎはハッとしてから青くなった。
杏「特に肩の」
「ちょっと待って!話はまた後で!」
そう言いながら隊服を掴んで身に着けていく。
杏「…………つむぎ?」
つむぎは焦っていた為かボタンを掛け違え、脚絆も身に着け忘れたまま松葉杖を掴んだ。
「しのぶさんに丸く収まったって伝えなきゃ!待ってるはずだから!!」
杏「そういう事なら待て!脚絆を、」
杏寿郎の言葉を待たずに、つむぎはあっと言う間に病室を出て行ってしまった。
杏「………………これはまずいな。」
つむぎが通った床には、つむぎの蜜壺から垂れたと思われる杏寿郎の欲が点々と滴り落ちている。
言い逃れが出来ない状況を作り上げてしまった杏寿郎は、口角を上げながら冷や汗を流したのだった。