第6章 ※やり直し
杏「胡蝶の許可が下りれば五十嵐家に赴いて君のお父上にご挨拶をしたい。」
「お付き合いの報告だけだと思ってるから、家を出たいって言ったらびっくりするだろうな…。」
そんな事を言うつむぎも杏寿郎も微笑みを浮かべている。
二人が恋仲である事を知る者は少ない。
職業柄、固定されたメンバーで働くことが多くなかったからだ。
それ故に二人は『お付き合いしている』と人に伝えることを楽しみに思ったのだ。
杏「数日前からは噛まないようにしなければな。」
杏寿郎はそう言いながら唇で横首にある噛み跡を撫でる。
「ん、」
それをくすぐったく思ったつむぎは中を無意識にきゅっと締めた。
杏寿郎は目を細めてそれに耐えると、止まっていた腰をゆるゆると動かし始める。
つむぎは声が漏れそうになると口を押さえて目をぎゅっと瞑った。