第6章 ※やり直し
杏「まだ少しも何も、一緒に暮らす気は無いのか。そういえば返事を貰っていなかったな。」
「あ、」
つむぎは再びハッとすると、これからの生活について想像してみた。
杏寿郎が静かに見つめる先でつむぎの眉が寄っていく。
杏「何を」
「甘露寺さんも…一緒……?」
その問いに杏寿郎は少し呆れたように微笑んだ。
杏「勿論違う。それに甘露寺は俺の弟子ではなくなった。独自の呼吸を編み出したらしくてな、君が蝶屋敷へ来た時もその事について話していた。」
「そう…なんだ……。」
つむぎはそう呟くと肩の力を抜いて微笑んだ。
「一緒に住みたい。…杏寿郎くんとたくさん一緒にいたい。」
その答えに杏寿郎は眉尻を下げて嬉しそうに笑った。