第6章 ※やり直し
「……ううん。やっぱり何でもない。」
その答えに杏寿郎は眉を寄せた。
杏「気になるだろう。」
そう言ってもつむぎが黙り込んでいると、焦れた杏寿郎は再び覆い被さって昂りを蜜壺に充てた。
「ま、まって…!」
つむぎは余裕を失くす事に強い抵抗を感じていた。
杏寿郎はそれをお見通しで、こうすればつむぎが口を割ると分かっていてそうしたのだ。
杏「では教えてくれ。」
「さ、さっき………杏寿郎くん…、人が変わったみたい、だった。」
つむぎが怯みながらもそう言うと、杏寿郎はつむぎの頬を優しく撫でる。
杏「人は溜め込むと蓄積した分どこかが歪んだり爆発したりすると聞いた事がある。俺は今まで人に強い感情をぶつけた事がなかったからな。」
「私に吐き出してくれれば良かったのに…。そうしたら、」
つむぎはそこまで言って口を噤んだ。
杏寿郎が目を細めたからだ。