第6章 ※やり直し
杏「それで部屋を出ていく前、君は涙目になっていたのだな。」
杏寿郎は腰を止めるとつむぎの額に優しく口付けてから横に寝転がり、つむぎをきつく抱き寄せた。
「杏寿郎くん…また傷が開いちゃう。あんまりそういう風に動いちゃ」
杏「甘露寺とは確かに君より長く一緒にいたし、千寿郎とも仲良くやっているのを見た事がある。」
その言葉につむぎは俯き、杏寿郎の胸に当てていた手でぎゅっと握り拳を作った。
一方、杏寿郎は腕の中のつむぎが黙りこくってしまったことに少し笑みを浮かべた。
杏「つむぎ、俺は煉󠄁獄家を出る。一緒に住まないか。」
「……えっ?」
杏寿郎は鬼殺隊に入ってからも弟の為になるべく家へ帰っていた。
それを知っていたつむぎは思わず顔を上げた。
杏寿郎は再びそんなつむぎの涙を拭ってやった。