第6章 ※やり直し

「……甘露寺さんって…、どんな人…？」




緩い律動に揺すられながらつむぎがちらりと杏寿郎を見上げる。

杏寿郎はそんなつむぎを見て眉を寄せた。




杏「嫉妬はもうしないのではなかったのか。俺の気持ちを示したろう。それとも一回では足りな」
「きょ、杏寿郎くんの気持ちを疑ってるわけじゃないよ！ただ…、」




つむぎは言葉を切ると困ったように眉尻を下げる。




「……ただ…、たぶん…羨ましいんだとおもう……。」




素直に言うとつむぎは口をきゅっと結んで視線を逸した。

その様子に杏寿郎が首を傾げる。




杏「羨ましい？何がだ。」




その言葉に眉を寄せたつむぎが視線を正面に戻した。




「だって…甘露寺さん、煉󠄁獄家にいるんでしょ…？二人でいれた時間が長いんだろうなとか、私と違って千寿郎くんと打ち解けられたんだろうなとか…。甘露寺さん、ふわふわしてて優しそうだし。鍛錬ばっかりしてた私より…もっと、」




言葉を詰まらせ惨めな気分になったつむぎは目を伏せてじわりと涙を滲ませる。


杏寿郎はそんなつむぎの涙を拭ってやった。