第6章 ※やり直し
杏「以前、任務を共にした仲間が事故で中に出してしまったと言っていたのだが、胡蝶が作った薬で解決したそうだ。」
「…………そんな大事なこと……ひっく、黙ってたの…?」
目付きが険しくてもしゃっくりを繰り返していれば迫力に欠ける。
杏寿郎は笑いながら再びつむぎの頭を撫でた。
杏「確かに黙って君の反応を楽しんでいたのも事実だが、子を作りたいと思っていたのも事実だ!なので薬は飲まなくても良いぞ!君に任せる!!」
「飲むに決まってるでしょ!いじわるでこんな事するなんて最っ低。」
そう言われると笑っている筈の杏寿郎の瞳が冷たいものへと変わる。
杏「元は君が別れてだなんて言ったからだぞ。俺だって初めてはもっと優しく甘く愛したいと思っていた。」
「……それ、は………………、」
つむぎはすっかり勢いを失くしてしおらしくなってしまった。
杏寿郎はそんなつむぎに優しく口付けをする。
杏「………………俺が嫌になったか。」
そう問われると、つむぎは眉尻を下げて困ったように黙ってしまった。
杏寿郎の頬に冷や汗が流れる。
杏「確かにやりすぎたが、君を世界一愛しているからこそ、だぞ!君への興味が薄ければ君に別れてと言われた時点で別れるだろう!!」
恋愛経験など皆無なつむぎは、そう力強く言われると首を傾げながらも頷いた。
「たし、かに……そうなのかな………。」
杏「そうだ!!!」
そうして二人の間に生じていた問題はなんとか解決したのであった。