第6章 ※やり直し
杏「きちんと顔を見せてくれ。俺しか知らない君を見ていたいんだ。」
「……か、お…………?」
蕩けた顔のつむぎの頭は回っていないように見える。
杏寿郎は頷きながら両手をつむぎの頭脇に押し付けた。
杏「恥じる必要は無い。俺に委ねて素直になるんだ。」
「………………………………やだ。」
杏寿郎が返答に驚いてよく見てみると、確かにつむぎの息はまだ荒く表情も普段と比べると緩い。
しかし、瞳の色は戻ってしまっていた。
杏寿郎はそんなつむぎを見て面白がるような笑みを浮かべた。
杏「どうしたら君は完全に俺のものになるのだろうな。」
そんな会話をしているうちにつむぎの眉は寄っていった。
そして、抑えられた手を振り払おうと力を入れる。