第6章 ※やり直し
杏「では、つむぎ。こちらを向いてくれ。」
杏寿郎の声は温かく優しかったが、つむぎはいざそう言われると縮こまって体を隠したまま動かない。
杏「…つむぎ?」
「……あの…、や、やっぱり今度にしよう…?」
つむぎの小さな声に杏寿郎は固まった。
既に杏寿郎の昂りは期待を受けてからずっと、ギンギンに固くなっている。
いつかも分からない "今度" まで待てる気がしなかった。
そんな事を知らぬつむぎは赤い顔で隊服のボタンを一つ掛けた。
「ほら…杏寿郎くん、怪我してるし…。」
杏「むぅ。」
正論だったが、痛みよりつむぎへの興味の方が大きい。
杏寿郎は口角を上げて腕を組んだ。
杏「ありがとう!だが大丈夫だ!!だから隊服を、」
「む、ムリ!やっぱりできない!!」
そう言うとつむぎは隊服の前を片手で握りながら、もう片方の手で体を支えて杏寿郎の下から這い出ようとした。
そんなつむぎを杏寿郎は微笑んだままずり戻した。