第1章 始まり
男「つむぎッ!!お前というやつは…っ」
「た…ただ今帰りました、お父様…。」
つむぎは実家の門をくぐってすぐに庭へ回り、一番気を揉んでいたであろう父・かざみに声を掛けた。
か「書き置き一枚で姿をくらますとは…!都代子…母さんも心配してろくに食事を取らなかったんだぞ!!」
「すみません…。」
そう言いながらちらりと父親の後ろを見ると、育手であるかざみの弟子達が手を止めてつむぎを見ていた。
弟子の四人と目が合うとつむぎは赤くなってしまった。
か「それで…お前は……、最終選別に行っていたのか…?」
その問われると、つむぎは意志の強い瞳で父を見上げた。
「はい。きちんと自分の力で生き抜きました。鬼も九体倒しました。」
それを聞いたかざみは複雑そうな顔で拳を握り締めた。
その顔を見たつむぎは父が葛藤しているのだと悟った。