第5章 ※逆鱗
「…………何してるの……。」
杏「君が他の男のものになった事も、これからなるかもしれない事も、俺は決して認めない。」
杏寿郎は包帯だらけの体で再びつむぎに覆い被さる。
「ど、どういう」
杏「汚されれば無かったことにするし、目移りするのなら嫌われてでも首輪を繋いでおく。」
思ってもみなかった言葉につむぎは目を見開いて固まった。
そして、杏寿郎の冷たい瞳に射抜かれると喉をヒュッと鳴らして息を止めた。
つむぎは杏寿郎の逆鱗に触れてしまったのだ。
杏寿郎はつむぎが動揺している様子を見ながら、つむぎの胸に巻いた晒に手を伸ばす。
杏「一目惚れしたのは四年も前の話だぞ。」
「……っ」
つむぎは杏寿郎が脱がせようとしているのだと察すると抵抗しようとした。
だが、少し動くだけで杏寿郎の冷たい瞳がそれを追ってしまう。