第1章 始まり
「聞いても笑わない……?」
そう上目遣いに三人を見つめる。
杏寿郎はハッとしてから口角を上げながら頷いた。
律と知世子もこくりと頷く。
それを確認したつむぎは恐る恐る口を開いた。
「……か、……風車の呼吸。名付け親は父。回転して何度も斬りつけるから風車みたいって…。」
知「なんだあ!もったいぶるからもっと変な名前なのかと思ったよ!」
律「じゃあ風の呼吸の派生なの?」
思った反応と違ったつむぎは目を見開いてからふわっと笑った。
「うん!風の呼吸を元に作ったんだ。」
そう言いながら杏寿郎を見るとにこにこと温かい笑みを浮かべていた。
杏「うむ!君らしくて良い名だと思う!!」
「私らしい…?」
つむぎがそう首を傾げると、杏寿郎もはたと我に返って首を傾げる。
それが面白くて笑うと、今度は口角を上げたまま固まってしまった。