第5章 ※逆鱗
「お父様!!要は来ましたか!?」
つむぎは帰るなり庭へ回り、開口一番そう問うた。
しかしかざみは眉を寄せたまま首を横に振った。
か「いや、来ていない。まだ日付けを超えてもいないんだから、杏寿郎くんを信じて静かに待ちなさい。」
つむぎはその言葉に何も返さずに屋敷へ上がった。
そして、部屋に入って悶々とする思考を断ち切るように瞑想をする。
そうして長い間心を鎮め続けた。
すると、戸の隙間から明るい光が差し込んでくる。
「!!」
バンッと戸を開いた先で羽音が響いた。
「かなめ…、要っ!杏寿郎くんは、」
要「勝利シタ!!杏寿郎ハ十二鬼月ヲ討チ取ッタ!!!」
その誇らしげな声を聞くと、つむぎはその場に崩れ落ちてしまった。
か「やったのか!!!」
隊士と同じ生活リズムで過ごしているかざみも要の大声を聞いて飛んできた。