第5章 ※逆鱗
「はい…!杏寿郎くんが討ち取ったと聞きました!杏寿郎くんが新しい炎柱です!!」
か「そうか!やはり煉󠄁獄家は凄いな!槇寿郎殿も鼻が高いだろう!!」
かざみはそう笑いながらつむぎの前に膝をついた。
そして、はたとある事に気が付く。
か「お前、少し泣きすぎじゃないか。めったに泣かないだろう。杏寿郎くんと…………杏寿…、」
そう言い淀んでからハッとする。
杏寿郎がつむぎに恋心を抱いていた事を思い出したからだ。
「………?」
か「お前…!まさか、だが…いや、こんな一報をお館様ではなく、まずお前に送るということは…、」
そこで言葉を切った。
つむぎが赤くなったからだ。
か「聞いていないぞ!挨拶に来るよう伝えなさい!!」
「は、はい…!」
つむぎは慌てて返事をすると、きっと満身創痍な杏寿郎の為に労りの言葉と父の言葉を書いて、要に届けてくれるよう頼んだのであった。