第4章 告げる
「…杏…寿郎くん…。」
そして戸惑うつむぎの赤い頬を確かめるように撫でる。
杏「嫌か。」
短く、そしてストレートに訊かれると、つむぎは目を泳がせた後ぎこちなく首を横に振った。
杏「……………。」
そんな反応をされれば辛抱堪らない。
杏寿郎は熱い息が整わないうちに再びつむぎの口を塞いだ。
そしてつむぎの舌に自身のそれを絡ませる。
つむぎは涙が滲んだ目を閉じ、杏寿郎の胸に置いた手で隊服をぎゅっと掴んだ。
(うそみたい…。びっくりが強すぎて嬉しいのかなんなのかもよく分からない…。でも、)
そう思いながら薄く目を開く。
杏寿郎の舌は熱く、まるで杏寿郎の想いを表しているかのようだった。
(……でも、杏寿郎くんより私を一番に思ってくれる人は…きっと、いないんだろうな…。)
そう思うと、つむぎは杏寿郎の少し重めな愛を受け入れたのだった。