第1章 序章
日が暮れて、チヨバァが亡くなったと言う場所、が幼い頃に過ごしてたって言う場所に着いた……人里というより、廃墟だな……初めて来た時も驚いたけど、その時はは居なかった……迎えてくれたのはチヨバァだけ……。
「三ヶ月前……残穢が残ってる訳、無いか……あったら先に窓が気付いて……っ?あんな扉……あったっけ……?」
伊地知も気付いてないな……真横に立ってるのに……僕の眼だから見えるのか?……それって何かを隠してた……?誰を……何のために……?まさかっ!!?
「伊地知、そこの扉、開いてみて?」
「えっ?扉……です…か……?どこの……ひぃっ…!!」
「……伊地知、直ぐに戻るよ!ここに、が居た…… はここで何かしてた!恐らく、今は呪力が戻ってる!何らかの影響でね!急いで!ジジィ達よりも先に見つけるよ!」
「えっ、あっ、はいっ!!」
結界すらも隠す術式……術者が死んで、中にいた奴が居なくなったから僕の眼には見えたんだ……流石だね、チヨバァ……どうせ、にも気付かれない様にコレ、残してくれたんでしょ?
“ 悟坊……後は任せた…╰(*´︶`*)╯ ”
チヨバァが特級呪霊から護ったのはだ……恐らく、チヨバァの死がトリガーになって、呪力が戻ったんだろう……いや、あの部屋で元々、回復を図ってた?どっちにしても、教えて貰うしか無いね、本人から!
この男……私の呪力が戻ってる事を知らない……当たり前なんだけど、今もずっと隠してるから……あの日、みんなの前から姿を消して七年弱、あの部屋で静養しながら身につけたから……あの日まで、私は高専関係者や呪詛師に存在を知られちゃいけないの……。
「……堀部さん、いや、呪詛んちょ……悪いけど、死んでもらうね?」
「ククッ、強がりだな……行け……殺さない程度に……っ!?」
“ 闇より出て闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え ”
油断大敵……外部より一切の接触及び立入を禁ずる……帳にここまで縛りをかけるのは通常ではあり得ない……でも、私の存在を気づかれるわけには行かない……だから、この男は生きては帰さない……それにこの呪霊、オバァの時の奴に似てる……。