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⭐︎夢のつづき⭐︎

第5章 憔悴


俺の言葉では安心したのか、シヴァの気配を感じ取ると張り詰めてた糸が切れた様に意識を失い、俺は月明かりに照らされる暗い海原を見つめた……。







「……貴方があの“手記”を残してくれていなければ、僕はを失うとこだった……ありがとう……」








かつて、六眼の持主だった僕の先祖が残していた手記にの事が記されていた…… の先祖にあたる当時の彼女は僕の先祖の幼馴染で、先祖が想いを寄せていた人……ある日、彼女は謎の男に犯され、その後、自らこの地で当時のシヴァと共に海に還った……。




「………その場に残った残穢で彼女の死を独りで嘆いたんですね……」





祖先は必死で彼女の行方を探し、ルーツであるこの地に辿り着いたけど、間に合わなかった……最期に彼女が残した残穢によって、彼女の死を感じたと言う……司書として残すと家にとってメリットは何もない……ただ、いつか、巡り巡って五条の末裔と再会が果たされた時、同じ過ちを繰り返したくないと手記を残してくれた……伝えられなかったけど、彼女の事を心底愛してたと……。








「……帰ろう、……もう絶対に俺から逃げるなんて許さないから!」







それから旅館へと戻り、ベッドへを寝かし付けると本当は一緒に添い寝したいけど、そこはまだ我慢する……ベッドの縁へ腰を掛け、静かに眠るの頬を撫で、目を覚ますのをゆっくりと待った……ひと時もから離れたくない……。
























“……前世の記憶は全てじゃないわ……”





だれ……?






“記憶はあっても、今の世界とは関係ないの……未来は自分の手で創るものだから……”






だれなの……?すごく安心する……暖かい……







“だから、自分に素直になって……どうか、幸せになって……”








私に前世の記憶のカケラがあるのを知ってるの……?静かに目を開くと優しく微笑んでいる私の知らない女性……なのに何処か懐かしさを感じる……貴女はだあれ?触れてみたいと手を伸ばすも、優しく微笑む女性が薄れていき現実に引き戻される様な感覚で夢である事に気が付いた……。
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